【医師監修】妊娠検査薬で陽性が出たときは?間違いなく判断するための使い方について

更新日:2017/03/27

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妊娠検査薬は手軽に妊娠判定ができるツールです。精度が高く、とても便利ですが、使い方を誤ると間違った結果が出ることもあります。ここでは、判定が出るメカニズムから正しい使い方、結果の読み方、結果に影響を与える事柄や間違った結果が出るケースまで解説します。

妊娠検査薬

●妊娠検査薬とは
●結果に影響を与える事柄
●間違った結果が出るケース
●月経がきたと思った場合の妊娠確率
●病院にはいつ行くべきか
●まとめ


妊娠検査薬とは

以前は妊娠したかどうかは、病院での検査でしか分かりませんでした。しかし今では、ドラッグストアに売られている市販の妊娠検査薬によって、簡単に妊娠の判定ができるようになりました。


市販の妊娠検査薬は簡易的に検査できるにも関わらず、その精度はかなり高いとされており、一部の病院では妊娠検査薬が陽性だったら、尿検査は行わずそのまま確定のための検査を行うというところもあるほどです。


妊娠がわかるメカニズム

妊娠検査薬

妊娠検査薬によって、自宅でも簡単に妊娠検査ができるようになったのには、妊娠初期のみに分泌される「ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)」というホルモンが関係しています。hCGは、妊娠4週頃より尿中に排泄されるようになり、8週から10週頃に排出のピークを迎えます。


妊娠検査薬では、尿中にhCGが分泌されているかどうかを判定することで、妊娠の有無を検査できるという仕組みになっています。


使い方

妊娠検査薬の使い方

現在、ドラッグストアなどで市販されている検査薬の多くは、月経(生理)予定日より1週間後に判定可能となっています。月経が28日周期の人は、最終月経開始日からおおよそ4週間後が次回月経予定日となります。よって妊娠検査薬を使用できるタイミングは最終月経開始日からおおよそ5週間後となります。


【 妊娠検査薬の使い方 】

  • 妊娠検査薬を用意する
  • 妊娠検査薬のキャップを開けて、尿をかける部分を出す
  • 尿をかける部分へ直接尿をかける
  • キャップをして、水平な場所に1分間置く
  • 終了線が出たら、隣に判定線が出ているかどうかを確認する

検査時に終了線が確認できており、判定線が全く出ていない場合は「陰性」となり、判定線が出ている場合は「陽性」となります。線の色は妊娠検査薬によって青、ピンクなど様々ありますが、判定線と終了線は必ず同じ線の色となっています。


結果に影響を与える事柄

妊娠検査薬の多くは、99%以上という高い判定率を誇っています。これは、妊娠検査薬で判定するhCGというホルモンが、妊娠初期以外には分泌されないことに由来しています。


一部で「ピルや飲酒によって判定に影響が出る」「一日のうち特にこの時間に検査をすると、判定が出やすい」といった情報が出ていますが、こういった外的な影響はほぼ受けることがありません。


間違った結果が出るケース

妊娠検査薬

高い判定率を誇る妊娠検査薬ですが、まれに間違った結果が出るケースもあります。


妊娠しているのに陰性反応が出た場合

正常妊娠していても、陰性反応が出ることがあります。原因は、以下のようなことが考えられます。


フライング検査

待ちに待った赤ちゃんですから、少しでも早く結果を知りたくなりますよね。しかし、月経予定日当日や、それより前など、判定可能時期よりも早く検査を行ってしまうと、正確な結果が出ない場合があり、これをフライング検査と呼びます。


確実な判定のためにも、検査は月経予定日より1週間後に行うことをおすすめします。


検査時の尿に問題があった

尿の量が少なすぎたり多すぎたりすると、判定が出にくくなることがあります。妊娠検査薬の使い方を良く読んでから、検査を行いましょう。


正常妊娠していないのに陽性反応が出る病気

正常妊娠していないのにも関わらず、妊娠検査薬で陽性反応が出る病気があります。


異所性妊娠(子宮外妊娠)

本来、子宮内で起こるべき妊娠が、子宮以外に着床してしまっている状態をいい、着床している部分によって、「卵管妊娠」「腹膜妊娠」「卵巣妊娠」「頸管妊娠」の4つに分けられます。


自然妊娠の1、2%の確率で発生するとされており、異所性妊娠になると、赤ちゃんはほぼ救命不可能となり、母体も非常に危険な状態になりえます。


絨毛性疾患

絨毛性疾患は、妊娠確認の際に「胎嚢(たいのう)」という赤ちゃんの袋が正常に確認できないときなどに疑われます。絨毛性疾患には「胞状奇胎(ほうじょうきたい)」「侵入奇胎」「絨毛癌」などが挙げられ、特に、胞状奇胎は40歳以上の高齢妊娠に多いとされています。


絨毛性疾患は、受精時の異常によって起こるため、防ぐことができません。


陽性反応が出ていたのに、次に検査したら陰性反応が出た場合

妊娠検査薬

一度陽性が出ていたにも関わらず、次に検査したら陰性だったというケースも少なからず起こっています。これは、前回検査時には妊娠が成立していたが「自然流産」したため、陰性に変わったと考えられます。


化学流産

受精したものの着床しなかったか、着床してすぐに成長が止まってしまい妊娠に至らなかった状態を、化学流産といいます。


妊娠検査薬の精度が上がり、着床した早い段階で陽性反応が出るようになったため、妊娠5週未満の流産も分かってしまうようになりました。


流産は、年代に関わらず一定の確率で起こりますし、妊娠週数が少ない状態での流産は、受精卵の遺伝子異常によるものとされており、防ぐことはできません。


→化学流産について詳しくはこちら


月経がきたと思った場合の妊娠確率

通常の月経のような出血があった場合の妊娠確率は非常に低いですが、月経ではなく「着床出血」だった場合は妊娠が継続されている可能性があります。


着床出血とは、受精卵が着床した際に起こる出血のことをいいます。月経時と違い、出血量は少量な場合がほとんどで、おりものに混じって血が出ることもあります。期間も1日程度と短期間なため、いつもより量が少ない、期間が短いというのを基準にすると良いでしょう。


→生理と妊娠初期症状の違いについて詳しくはこちら


病院にはいつ行くべきか

妊娠検査薬にて陽性反応がでたら、「正常妊娠」しているかを判定するために病院を受診しましょう。目安は妊娠5週目頃が良いとされています。また、前述にて「妊娠していないのに陽性反応が出る病気」をご紹介しましたが、これらは週数が経つと母体に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、早期に正常妊娠しているか判定することは非常に大切です。


一部では、心拍確認も一度に行えるように「妊娠6週以降に受診したほうが良い」という意見もありますが、間違った結果だった場合の処置が遅れてしまう可能性が高いため、おすすめできません。


病院での検査内容

医師と患者

病院で行う検査は、妊娠週数によって変わります。主な検査内容は、以下の通りです。初診時や妊娠12週以降には「体重測定」「血圧測定」「尿検査」も行われています。


妊娠判定(初回受診時)

超音波検査(エコー検査)を行い、子宮内に赤ちゃんの袋である「胎嚢」が確認できるかどうかを判定します。このとき、胎嚢が確認されれば「妊娠確定」となり、確認できない場合は1週間後に再度確認します。


妊娠初期は「経膣法」といって、膣にプローブと呼ばれる器具を挿入して超音波検査が行われます。


妊娠2か月から3か月(妊娠4週から11週)

超音波検査を行い、胎嚢の大きさおよび赤ちゃんの大きさを測定します。8週から11週頃になると、実際の赤ちゃんの大きさを確認するなどして出産予定日が決められます。


また、妊娠初期検査として、血液検査が行われます。母体の詳しい血液型や感染症に対する抗体の有無、貧血、血糖値は正常かどうかを確認し、今後の妊娠において注意点はないかどうかを確認します。


妊娠4か月から6か月(妊娠12週から23週)

超音波検査

おおよそ4週に1度のペースで超音波検査を行い、赤ちゃんに奇形がないか、胎盤やへその緒に異常がないか、羊水の量は正常かを確認します。


また、16週以降になると、母体の手足にむくみはないか、子宮はどれくらい大きくなったかの測定も行われます。さらに、子宮頸管のチェックを妊娠期間中に1、2回程度行います。


尚、妊娠4か月より、膣から行っていた超音波検査が「経腹法」といってお腹に直接エコーを当てる方法に変わります。


妊娠7か月から9か月(妊娠24週から35週)

2週に1回と検診回数が増え、超音波検査にて赤ちゃん及び母体に異常がないかをチェックします。


また、妊娠7か月の時に再度血糖値の検査などを行い、妊娠糖尿病の有無を確認します。


妊娠10か月(妊娠36週以降)

1週に1回の検診となり、おりものの検査や内診、超音波検査の他、状態に応じてNSTを行います。NSTとは、ストレスを加えない状態で赤ちゃんの心拍を観察し、赤ちゃんの状態が良好なことを確認する検査です。


まとめ

待ちに待った赤ちゃんですから、ついフライング検査をしてしまう人も多いかと思います。しかし、妊娠検査薬の精度の向上により、着床した早い段階で陽性反応が出るようになったため、妊娠5週未満の流産も分かってしまうことがあります。化学流産は誰にでも起こりうることですが、流産と分かるとショックは大きいものです。


フライング検査が悪いというわけではありません。ですが、確実な検査結果を得るためにも、妊娠検査薬に記載されている使用方法や判定可能時期を守ることをおすすめします。

※本記事の内容は掲載時点の情報であり、最新の情報とは異なる場合があります。予めご了承ください。


記事監修医師宋美玄先生  

【 監修者 】
 産婦人科医・医学博士
 宋美玄 先生

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