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≪医師監修≫子宮頸がんのクラス分類・ベセスダ分類とは?治療はどう進む?

更新日:2018/02/01

子宮頸がんの検診では、子宮頸部細胞を直接採取し、顕微鏡で調べる「細診診」が行われます。その結果を示す方法として、以前は「クラス分類」が用いられてきましたが、現在は「ベセスダ分類」に代わっています。このベセスダ分類とは一体どのようなものか、またどのようなメリットがあるのか、詳しく解説いたします。


記事監修医師織田克利先生  

【 記事監修 】
 東京大学大学院医学系研究科 産婦人科学講座 生殖腫瘍学
 准教授 織田克利 先生


●子宮頸がんの検診(細胞診)とは
●クラス分類とは
●ベセスダ分類とは
●ベセスダ分類ごとの治療方法
●まとめ


子宮頸がんの検診(細胞診)とは

子宮頸がんは、子宮の入り口に当たる子宮頸部にできるがんで、発症のピークは30代から40代ですが、最近は20代でも急増しています。このため、20歳からの検診が推奨されています。


検診では、「問診」、「視診」(膣鏡を膣内に挿入して子宮頸部を観察する)を行った上で、「細胞診」を実施します。細胞診は、やわらかいブラシのようなものを膣に入れ、軽くなでるようにして表面の細胞をこすりとります。採取した細胞は顕微鏡で観察し、がん細胞が潜んでいないか、がんの前段階である「前がん病変」がないかどうかを調べます


最近では、この細胞診に加え、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染しているかどうかをチェックするHPV検査を行うことも多くなっています。


クラス分類とは

クラス分類は、細胞診で得られた結果を、クラスⅠからクラスⅤの5段階(細かくは8段階)で評価したものです。


わが国では、この「クラス分類」が長く使用され、子宮頸がんの検診を受けた人には、それに基づいた判定結果が通知されていました。クラス分類は、非常にわかりやすく、便利です。しかし、①標本が不良(不適正)で、細胞診が難しい場合も、無理に診断していた、②クラス分類で想定される病変とは異なる可能性に関する所見を反映しづらい、③クラスⅢの範囲が広すぎる(ほぼ正常から、実はがんだった場合までクラスⅢに分類される可能性がある)といった問題点がありました。そこで2001年から、細胞診の評価には国際分類である「ベセスダ分類」が用いられるようになり、クラス分類のみによる判定は行われなくなってきています


クラス

病態

判定

まったく正常

正常

Ⅱa

炎症、萎縮性膣炎、ウイルス感染、化生などの良性

がんの心配なし。

Ⅱb

良性異型(炎症などによって細胞に核腫大などの変化)

念のため経過観察または、炎症などの治療をしてから再検査が必要。

Ⅲa

軽度から中等度の異形成を想定する

3か月おきに経過観察、コルポ診のチェックが必要。また、クラスⅡa以上は2次検査の対象となり、細胞診、コルポスコープによる診察が必要で、コルポ診で異常所見があればコルポ診下で組織診が必要。

Ⅲb

高度異形成を想定する

クラスⅢb以上はコルポ診下で組織診が必須。

上皮内がんを想定する

Ⅴa

微小浸潤がんを想定する

Ⅴb

浸潤がんを想定する

出典:日本母性保護産婦人科医会1954年(日母分類)


ベセスダ分類とは

ベセスダ分類は、現在、世界中で採用されている細胞診の国際分類です。日本でも2001年以降、クラス分類に代わって普及してきました


クラス分類では、軽度から中等度の異形成をⅢa、高度異形成をⅢbとしていましたが、ベセスダ分類では、軽度異形成に相当する所見は、「LSIL」という用語になりました。中等度異形成と高度異形成を区別せず、また上皮内がんまでを含めて「HSIL」という用語になりました。HSILにはクラス分類のⅢaの一部、Ⅲb、Ⅳまでが含まれうることとなります。


一方、異形成の程度を推測することが困難な場合には、他の用語に分類されることとなりました。「ASC-US」とは、「異形成とはいいきれないが、細胞に軽度な変化がある所見」に用いられます。HPV検査で陽性となり、異形成が同定される場合も多いですが、異形成の程度は軽いことが多いです。一方、「ASC-H」では高度な異形成の可能性があるものの、一度の検診のみでは判断が難しい場合に用いられます。従って、高度な病変を見逃さないようにする上で、非常に重要な所見です。


結果

従来のクラス分類

適用

NILM:正常な細胞のみ

Ⅰ、Ⅱ

異常なし(検診結果なら定期検診)

ASC-US:異形成とはいえないが細胞に軽度な変化がある

Ⅱ~Ⅲa

要精密検査(以下の選択肢が可能)
①直ちにハイリスクHPV検査施行し
陰性:1年後に細胞診検査
陽性:コルポ診・生検
②HPV検査施行せず、6か月と12か月目に細胞診再検、どちらか一方でもASC-US以上の時コルポ診・生検する
③HPV検査施行せず、直ちにコルポ診・生検することも容認される

ASC-H:高度な異形成の可能性がある

Ⅲa、Ⅲb

要精密検査(直ちにコルポ診・生検)

LSIL:HPVの感染や軽度の異形成がある

Ⅲa

HSIL:中等度異形成、高度異形成、上皮内病変がある

Ⅲa、Ⅲb、Ⅳ

SCC:扁平上皮がんと考えられる

(産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2017 P43より引用・一部改編)


ベセスダ分類ごとの治療方法

子宮頸がんの検診を受けた方は、ベセスダ分類による細胞診の所見が通知されます(「細胞所見」という欄に記載されています)。


ベセスダ分類は採取した細胞の中に、異形成やがんが潜んでいるかどうかをチェックする検査です。したがって、それに基づいてすぐ治療が進められるわけではありません。検査で異常が見つかった場合は、精密検査で高度な病変がないかの診断確定が必要となります。もしも、がんと診断された場合には、さらに超音波検査、CT、MRIなどの画像診断で、がんの広がり、深さ、リンパ節転移の有無、隣接する臓器への浸潤度などを調べ、進行の程度(病期、ステージ)を決定します。子宮頸がんのステージは、Ⅰ期からⅣ期に分類され、それに応じた治療が推奨されています。クラス分類のⅠからⅤまでと、子宮頸がんのステージとは全く異なりますので、検査と診断について正しく理解する必要があります。


まとめ

現在、子宮頸がんの細胞診はベセスダ分類によって行われています。従来のクラス分類に比べると、アルファベットが並び、わかりにくいと感じている方も多いと思います。しかし、このベセスダ分類を適切に活用することは、診断の精度の向上や適切な管理につながると期待されます。検診の結果「要精密検査」と通知された場合には、がん診療の経験・知識が豊富な専門施設で、詳しい検査を受けて下さい。それが子宮頸がんの早期発見・治療につながります。

※本記事の内容は掲載時点の情報であり、最新の情報とは異なる場合があります。予めご了承ください。


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