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≪医師監修≫異形成とは?子宮頸がんへのがん化率、手術、治療の必要性について

更新日:2018/02/01

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子宮頸がんには「異形成」という前段階があることが知られています。自然に消失することも多いですが、一部はこの異形成からがんへと進展していきます。ここでは、異形成とはどのような状態なのか、がんとどう違うのか、異形成が見つかった場合どう対処すればいいのかなどについて解説します。


記事監修医師織田克利先生  

【 記事監修 】
 東京大学大学院医学系研究科 産婦人科学講座 生殖腫瘍学
 准教授 織田克利 先生


●異形成の原因
●異形成と子宮頸がんとの違いは?
●異形成ががんに進行する仕方
●異形成の特徴
●異形成ががんになる確率
●異形成の発見方法
●異形成の治療方法、手術の必要性
●まとめ


異形成の原因

子宮頸部の異形成は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって起こります。HPVはごくありふれたウイルスで、性交渉によって感染します。性交渉のある女性なら誰でもHPVに感染する可能性があります。むしろ、HPVに感染したことのない女性の方が少ないといわれています。


もっとも、HPVに感染しても、多くの場合ウイルスは排除され、自然に治ります。30歳未満の女性では、たとえHPVに感染し、軽度異形成と診断されても90%は消失するといわれています。ただ、中にはHPVが消えずに感染が持続することがあり、その一部が数年から10年という長い期間を経て、子宮頸がんに進展するといわれています。


異形成と子宮頸がんとの違いは?

HPVの感染によって細胞の顔つき(形態)が通常とは異なる状態が異形成です。異形成は、子宮頸がんとは違います。しかし、ステップを踏みながら、次第にがん化していくことがわかっています。


異形成ががんに進行する仕方

異形成ががんに進行する仕方

子宮頸がんは、HPVに感染後、軽度異形成(CIN1)→中等度異形成(CIN2)→高度異形成・上皮内がん(CIN3)→浸潤がんという段階を踏みながら進展していきます。とはいっても、HPVに感染したすべての人がこの道筋を辿るわけではありません。産婦人科診療ガイドライン「婦人科外来編2017」によると、「軽度異形成から高度異形成に進展する率は12%から16%で、軽度異形成の大部分は自然消失する」と記載されています。ただ、高度異形成まで進んだ場合は、子宮頸がんのリスクが格段に高まります。


異形成の特徴

軽度異形成、中等度異形成、高度異形成の3つに分類について、病理組織学的にみると、それぞれの段階には次のような特徴があります。


軽度異形成(CIN1)

HPVが感染した状態。 ウイルスは活発に活動増殖しているが、感染によって顔つき(形態)が変わった細胞の数はわずか。腫瘍としての性格は持っていない。ほとんどの場合、ウイルスは自然に消失する。


中等度異形成(CIN2)

軽度異形成の段階でHPVが消失せず、長期化している状態。子宮頸部の細胞(上皮)のうち異形成を示すのは、3分の2までにとどまる。中等度異形成から子宮頸がんに進行するのは20%程度だが、この状態が長く場合もある。


高度異形成(CIN3)

HPVのDNAが細胞内に取り込まれ、それによって細胞の多くが異形成の状態となり、がんに近い見え方に変わってしまった状態(前がん状態)。ウイルス感染という状態ではなく、すでに「腫瘍」としての性格を備えており、“限りなくがんに近い”といえます。


異形成ががんになる確率

最近の研究によると、がんへの5年進展率は、軽度異形成の場合5%から14%、中等度・高度異形成の場合17%から26%と報告されています。一方、消退率(異形成が消失する率)は、軽度異形成で59%から75%、中等度異形成で52%から64%、高度異形成で19%と報告されています。


このデータから、異形成からがんへの進展は段階によって大きく違うこと、そして高度異形成でも約20%では異形成が自然に消失することがわかります。


異形成の発見方法

異形成には症状はありません。このため大切なのは定期的な子宮頸がんの検診です。検診では、細胞診という方法で異常をチェックします。結果は「ベセスダ分類」という基準で判定され、受診者に通知されます。細胞診の結果で異常が疑われる場合には、コルポスコピーによる精密検査を行い、さらに治療の必要性を確かめるため、子宮頸部の組織を取って顕微鏡で調べる生検(組織診断)を実施します。


なお、ベセスダ分類では、軽度異形成は「LSIL」、中等度・高度異形成は「HSIL」に相当します。


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“ベセスダ分類”について詳しくはこちら!


異形成の治療方法、手術の必要性

軽度異形成では、多くは治療しなくても消失します。このため、6か月ごとに細胞診、必要に応じてコルポスコピー検査でフォローします。


中等度異形成では、3か月から6か月ごとに細胞診とコルポスコピー検査を併用し、厳重に管理することが推奨されています。なお、中等度異形成は基本的に経過観察ですが、①1、2年フォローアップしても消失しない、②HPVのタイピング検査で、HPV16、18、31、33、35、45、52、58のいずれかが陽性、③患者さんの強い希望がある、④事情によって継続的な受診が難しいというケースでは「治療することができる」とされています(産婦人科診療ガイドライン「婦人科外来編2017」)。


中等度異形成の一部と高度異形成では、自然消失が期待できないため治療の対象となります。治療法としては手術療法が選択され、子宮頸部の異形成を円錐形に切除する「円錐切除術」が代表的なものです。この方法は、高度異形成や上皮内がんのほか、さらに進んだ微小浸潤扁平上皮がん(ステージⅠa1期)にも用いられることがあります。


まとめ

HPVの感染で起こる「異形成」の多くは自然に消失しますが、その一部は軽度異形成、中等度異形成、高度異形成というステップを踏んで子宮頸がんへと進みます。しかし、早い段階で見つけ、しっかり管理すれば、がんの発症を予防できると期待されます。定期的な子宮頸がん検診で早期発見につなげましょう。

※本記事の内容は掲載時点の情報であり、最新の情報とは異なる場合があります。予めご了承ください。


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