≪医師監修≫子宮頸がんのステージ、生存率、再発・転移について

更新日:2017/01/19

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子宮頸がんのステージ(進行期)はⅠ期からⅣ期に分けられ、それぞれ基本となる治療法が異なります。ここでは、ステージ分類と細胞診の分類の違い、生存率、再発・転移について解説します。


記事監修医師宋美玄先生  

【 記事監修 】
 産婦人科医・医学博士
 宋美玄 先生


ハートを持った医師

●ステージ分類(進行期分類)
●細胞診の分類
●ステージごとの治療法
●生存率
●再発と転移
●まとめ


ステージ分類(進行期分類)

子宮頸がんのステージ分類

子宮頸がんに限らず、がんは「ステージ」と呼ばれる進行期によって表されます。ステージは、がんの大きさ、広がり方、転移の有無によって段階が分けられており、子宮頸がんは他のがんと比べてやや多い11段階に分けられています

上皮内がんを含めたより詳細な進行期分類は以下の通りです。

上皮内癌

ごく初期の癌で上皮内にとどまっているもの

Ⅰ期

癌が子宮内部にとどまっているもの(子宮体部への浸潤は考慮しない)

ⅠA期

肉眼的には見えない癌。間質細胞(子宮頸部の深いところにある細胞)への浸潤の深さが5mm以内で、縦軸方向の広がりが7mmを超えないもの

ⅠA1期

 

深さが3mm以内で広がりが7mmを超えないもの

ⅠA2期

 

深さが3mmを超えるが5mm以内で広がりが7mmを超えないもの

ⅠB期

肉眼的に見える癌

ⅠB1期

 

病巣が4cm以内のもの

ⅠB2期

 

病巣が4cmを超えるもの

Ⅱ期

癌が子宮頸部を超えて広がっているが、膣壁の下1/3または骨盤壁には達していないもの

ⅡA期

膣壁に浸潤しているが、子宮周囲の組織には浸潤していないもの

ⅡA1期

 

病巣が4cm以内のもの

ⅡA2期

 

病巣が4cmを超えるもの

ⅡB期

子宮周囲の組織に浸潤しているもの

Ⅲ期

癌の浸潤が膣壁の下1/3に達するもの、または骨盤壁に達するもの

ⅢA期

膣壁の浸潤は下1/3に達しているが子宮周囲の組織への浸潤が骨盤壁には達していないもの

ⅢB期

子宮周囲の組織への浸潤が骨盤壁に達しているもの

Ⅳ期

癌が膀胱や直腸の粘膜を侵すか、少骨盤腔(恥骨と仙骨の間の空間)を超えて広がっているもの

ⅣA期

膀胱や直腸の粘膜に浸潤しているもの

ⅣB期

小骨盤腔を超えて広がっているもの


細胞診の分類

カルテ

細胞診とは「異常な細胞の有無」を判定するものです。

子宮頸がんの細胞診の分類は、ⅠからⅤの5段階で表す「クラス分類」が長らく使われていましたが、近年では「ベセスダシステム」に基づいて表わされることが多くなりました。ベセスダシステムを用いた「ベセスダ分類」により、HPV感染の有無、異型性のレベル(軽度、中等度、高度)の推定など異常の程度についての情報を、より細かく伝えることができると考えられています。

細胞診の結果は、ベセスダシステムによって「陰性:異常なし」「ASC-US:判断しかねる」「陽性:異常あり」の3種類に分かれます。ASC-USや陽性の場合は、子宮頸がんや異形成の疑いがあるため、精密検査を受ける必要があります。

陰性(−)
NLLM

判定

異常なし(1年から2年後に検診)

ASC-US(±)
軽度扁平上皮内病変の疑い

判定

異常あり(要精密検査)

精密検査の内容

・ハイリスクHPV検査
・コルポスコピーと生検
・がん検診

その後

・ハイリスクHPV検査が陽性の場合はコルポスコピーと生検
・ハイリスクHPV検査が陰性の場合は1年後に検診

陽性(+)
・高度扁平上皮内病変の疑い(ASC-H)
・HPV感染または軽度異形成(LSIL)
・中等度異形成、高度異形成、上皮内がん(HSIL)
・扁平上皮がん(SCC)
・腺異型または腺がんの疑い(AGC)
・上皮内腺がん(AIS)
・腺がん(Adenocarcinoma)
・その他の悪性腫瘍

判定

異常あり(要精密検査)

精密検査の内容

・コルポスコピーと生検
※AGC、AIS、Adenocarcinomaの場合は子宮体部の精密検査
・その他の悪性腫瘍の場合は病変の検索

その後

精密検査の結果に対応した治療


ステージごとの治療法

医師と患者

治療法はステージ、年齢や病状などを考慮しながら選択していくことになります。特に、年齢によっては「妊娠」について考慮する必要があります。自分の希望をしっかりと伝え、主治医やパートナーとも良く相談したうえで、納得できる治療法を選択することが肝心です。

主治医以外にセカンドオピニオンを求めることも一般的なことですので、治療方針を決めるうえで参考にしてみても良いでしょう


子宮頸部異形成

  • 経過観察
    軽度及び、中等度頸部異形成の場合は、すぐに手術するのではなく経過観察となるのが一般的です。
  • 円錐切除術
    頸部組織を円錐状に切除する手術です。高度異形成では、上皮内がんが認められることがあるため、円錐切除術による診断兼、治療が必要になります。

上皮内がん

  • 円錐切除術
  • 単純子宮全摘出術
    子宮全体を摘出する手術です。

ⅠA期

  • 円錐切除術
  • 単純子宮全摘出術
  • 準広汎子宮全摘出術
    子宮を全摘出すると同時に、周辺部位や膣上部を少し広く摘出する手術です。
  • 広汎子宮全摘出術
    子宮を全摘出すると同時に、周辺部位や膣上部を広く摘出する手術です。

ⅠB期、Ⅱ期

  • 広汎子宮全摘出術
  • 放射線療法
    高用量X線や高エネルギー線を用いて、がんの増殖を抑え破壊させる治療です。
  • 同時化学放射線療法(CCRT)
    抗がん剤と放射線照射を短期間に同時進行させる治療です。

Ⅲ期、ⅣA期

  • 同時化学放射線療法(CCRT)

ⅣB期

  • 化学療法
    抗がん剤を用いて、がんの増殖を抑え破壊させる治療です。
  • 放射線療法
    がん細胞死滅の他、症状緩和の目的でも行われます。

⇒治療法について詳しくはこちら


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生存率

子宮頸がん臨床進行度別5年相対生存率

がんになると、治療の際によく耳にするようになる言葉の一つに「5年生存率」があります。なぜ目安となる期間が「5年」かというと、再発の多くが治療後5年以内に起こるからです

上図でも分かる通り、一般的に限局がん(ステージⅠ期)での5年生存率は90%を超えており、他のがんに比べても完治しやすいといわれています。しかしながら、ステージによっても生存率は異なりますので、データはあくまでも目安と考えましょう


再発と転移

子宮頸がんのみならず多くのがんが、5年以内の検査によって見つかります

再発と一口にいっても、子宮頸がんの場合、骨盤内での「局所再発」もあれば、血液やリンパの流れにのって子宮から離れた肺などの臓器に「遠隔転移」する場合もあります。

再発の可能性はステージやその他のリスク因子によっても異なります

→再発の症状について詳しくはこちら


まとめ

今回は11段階のステージ(進行期)や5年生存率など、数字的な指標について触れました。数字や数値で表されるものをみると、人はつい、自分の状態と比較して一喜一憂してしまう傾向があります。しかし、データはあくまでも目安でしかありません。

病気に対する正しい知識を得ながら、主治医と連携して前向きに治療にのぞむことが何よりも重要です。

※本記事の内容は掲載時点の情報であり、最新の情報とは異なる場合があります。予めご了承ください。


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