≪医師監修≫子宮頸がんの症状とは?出血、ニオイ、痛みの特徴について

更新日:2017/01/19

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子宮頸がんは初期の場合、ほとんど症状がなく、早期に発見するのがとても難しい病気です。ここでは、不正出血やおりものの異常、腹痛、腰痛など、子宮頸がんになると起こる主な症状と、再発した場合に現れる症状を解説します。


記事監修医師宋美玄先生  

【 記事監修 】
 産婦人科医・医学博士
 宋美玄 先生


ハートを持った女性

●初期症状
●進行がんの症状
●再発・転移の症状
●まとめ


初期症状

子宮頸がんは、20代後半から40歳前後に発症しやすいがんです。


初期の場合ほとんど症状がないため、症状のみから早期に発見するのがとても難しい病気です。一方で、子宮頸がんは早期発見、早期治療により治る可能性の高いがんでもあります。


初期の自覚症状はほとんどないとはいえ、注意していれば気づくことのできるサインもあります。以下のような症状が当てはまる方は、早めに検診を受けてください。


不正出血

月経(生理)の時以外に性器から出血が起こることを不正出血といいます。不正出血の量は薄いピンクのものが混じる程度から多量な出血まで様々です。


性器からの不正出血は「機能性出血」「器質性出血」の2種類に分けられます


機能性出血

機能性出血は、ホルモンのバランスが崩れることで起こります。卵巣が未発達な思春期や、卵巣の機能が衰える更年期に起こりやすく、過度のストレスや不規則な生活によっても引き起こされます。


機能性出血は排卵の有無によって対処が異なり、排卵がある場合はホルモン剤の投与によってホルモンバランスを整えることで症状の改善を図ることができます。


器質性出血

器質性出血は、子宮内の異常などによって起こります。「良性」と「悪性」に分けられますが、いずれも見逃したくはない病気のサインです。


【 良性 】…基本的に治療をすれば完治します。

  • 子宮筋腫
  • 子宮膣部びらん
  • 子宮頸管ポリープ
  • 子宮内膜ポリープ

【 悪性 】

  • 子宮頸がん
  • 子宮体がん
  • 卵管がん
  • 膣がん
  • 外陰がん
  • 子宮肉腫

不正出血の他にも、月経以外の時期に腹痛や骨盤痛があったり、下腹部にしこりを感じたりすることがあれば要注意です。また、長期的な便秘、下痢やそれに伴う吐き気、嘔吐の症状がある場合は、子宮頸がんを発症している可能性も考えられますので内科だけでなく産婦人科も受診したほうが良いでしょう。


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おりものの変化

月経前後などホルモンのバランスが変化する時期とは関係なく、おりものの量が増えた場合は注意が必要です。おりものは普段から多少は出ているものですが、おりものの量が増えたときには粘膜の炎症が考えられます。


また、色や匂いが普段と違う場合も、体からの何らかのサインと考えましょう。壊死したがん細胞や、腐敗した血液が混ざることで、茶色、黒赤色、赤色などのおりものがみられたり、悪臭を発したりすることがあります。このような症状がみられた場合は、がんが進行している可能性もあります。


性交痛、性交出血

性交痛

「接触出血」と呼ばれる性交渉時の出血も子宮頸がんの症状の一つです。

子宮頸がんは扁平上皮がんといって粘膜の上にできることが多いため、性交時の刺激でがん細胞が擦れ、出血を起こす可能性があります。そのため、性交渉時に普段は起こらないような出血があった場合は注意が必要です。


また、性交時に痛みを感じるようになった場合は、大きくなった腫瘍によって、膣が癒着やひきつれを起こしている可能性が考えられます。


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進行がんの症状

腰痛

早期であれば完治も見込める子宮頸がんですが、進行すると、子宮外にもがんが影響を及ぼしはじめ、治療も厳しくなってきます。


子宮の周囲にある膀胱、直腸、骨盤などにがんが広がった場合は、腰痛や骨盤の痛み、腹痛、閉塞性尿路疾患、血便、血尿などが起こります。また、頻尿や排尿困難、排便困難、発熱、貧血、めまいなどの症状もみられるようになります。


再発・転移の症状

子宮頸がんの再発は、骨盤内に起こる「骨盤内再発」が多く、子宮頸部や子宮体部、卵巣、靭帯、下部結腸、直腸、膀胱といった場所に発生します。


一方、子宮頸がんは「遠隔転移」する可能性もあり、肺や脳、骨、肝臓などに転移することもあります。


骨盤内再発

骨盤内再発

子宮頸部や子宮を切除した部分に再びがんが発現することを、骨盤内再発といいます。骨盤内再発は「局所再発」とも呼ばれ、子宮体部及び、卵巣、靭帯、下部結腸、直腸、膀胱といった骨盤内の臓器、リンパ節に確認される再発も含みます。


骨盤内再発をしても、症状が現れることはほとんどありません。腸や膀胱にできたがんが周辺を圧迫すると、腹痛、血尿、血便などの症状が現れることがあります。


咳をする女性

子宮から離れた臓器で、特に転移しやすいのが肺です。


肺に転移しても症状が出るとは限りません。再発部位によっては咳、血の混ざった痰、呼吸障害、胸痛などが起こることがあります。癌性胸膜炎といって肺に水が溜まると、呼吸障害が起こることがあります。


リンパ節

最も多いのは骨盤内リンパ節ですが、全身のリンパ節に転移することがあります。部位によっては周囲の臓器を圧迫し、症状が出現することがあります。


脳に転移した場合に多くみられるのが、頭痛や吐き気などです。


また、転移した脳の場所によって様々な症状が現れます。視覚をつかさどる部位に転移した場合は、視野が欠損するなどの視覚障害が起こり、言葉をつかさどる部位に転移した場合は、言語障害が起こります。


骨に転移した場合は、転移した部位に痛みが起こることがあります。また、周囲の神経が圧迫されることでしびれがおこることもあります。


肝臓

肝臓に転移した場合は、体のだるさ、お腹の張り、黄疸などの症状が現れることがあります。


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まとめ

子宮頸がんは早期発見による寛解(かんかい)が難しくないといわれている病気ですが、初期の自覚症状が少なく、気づきにくいのが特徴です。しかし、その症状についてあらかじめ知識をもっておくことで「おかしいな」と異変を察知することが可能です。


日常生活の中でセルフチェックを意識的に行うと共に、定期検診をしっかり受けることが最善策といえるでしょう。

※本記事の内容は掲載時点の情報であり、最新の情報とは異なる場合があります。予めご了承ください。


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