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≪医師監修≫子宮内膜異型増殖症とは?分類ごとのがん化率、治療方法について

更新日:2018/02/01

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子宮内膜増殖症の中でも、特に子宮内膜異型増殖症はがんへと進展するリスクが高く、およそ10%から20%が子宮体がんになるといわれています。がんの前駆病変と呼ばれる子宮内膜異型増殖症は一体どのような病気なのか、また、診断や治療はどう進めていくのか、解説していきます。


記事監修医師鈴木光明先生  

【 記事監修 】
 新百合ヶ丘総合病院がんセンター センター長
 鈴木光明 先生


●子宮内膜異型増殖症とは
●子宮内膜増殖症の分類
●分類ごとの子宮体がんの潜在率・進展率
●子宮内膜異型増殖症の検査方法
●子宮内膜増殖症の治療方法
●まとめ


子宮内膜異型増殖症とは

「子宮内膜」は、子宮の内側をおおっている粘膜組織で、受精卵が着床する場所です。女性の体では、毎月この子宮内膜が増殖して厚くなり、受精卵が着床しやすいように準備しています。妊娠しなかった場合は、子宮内膜が剥がれ落ちて、血液とともに体外に排出されます。これが「月経」です。


子宮内膜の増殖は生理的な現象ですが、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌が増えすぎたり、ブレーキ役のプロゲステロンとのバランスが崩れたりすると、子宮内膜が厚くなってしまうことがあります。この状態を「子宮内膜増殖症」といいます。子宮内膜増殖症の中には、細胞の形態や組織の構造が変化し、正常細胞と異なっているタイプあります。これを、「子宮内膜異型増殖症」と呼びます。子宮内膜異型増殖症は、子宮体がんへと進行するリスクがあるため、子宮体がんの前駆病変(前がん状態)と考えられています。


ちなみに、子宮内膜増殖症と名前が似た病気に「子宮内膜症」があります。卵巣、卵管、腹膜など子宮以外の臓器に、子宮内膜に似た組織が増殖するもので、月経痛や不妊の原因になりますが、子宮内膜増殖症とはまったく違う病気です。


子宮内膜増殖症の分類

子宮内膜増殖症は、組織の構造上の特徴と、異形細胞(がんに類似した細胞)があるかないかで、次の4つに分類されます。


  1. 単純型子宮内膜増殖症
  2. 複雑型子宮内膜増殖症
  3. 単純型子宮内膜異型増殖症
  4. 複雑型子宮内膜異型増殖症

1、2は「異形」がないもの、3、4は「異形」のあるものです。「単純型」と「複雑型」の違いは、腺細胞の構造に変化があるか、ないかです。このように分類するのは、それぞれのタイプによってがん化のリスクが異なり、治療方針も変わってくるからです


分類ごとの子宮体がんの潜在率・進展率

「子宮体がん治療ガイドライン2013」(日本婦人科腫瘍学会)では、子宮内膜増殖症が、がんと併存する(潜在率)、あるいはがんに進展する(進展率)を、以下のように記載しています。


分類

潜在率・進展率

単純型子宮内膜増殖症

1%

複雑型子宮内膜増殖症

3%

単純型子宮内膜異型増殖症

8%

複雑型子宮内膜異型増殖症

29%


このように子宮内膜増殖症は、がんの前駆病変の性格をもっています。特に子宮内膜異型増殖症の場合、100人の患者さんがいるとして、単純型子宮内膜異型増殖症では8人が、複雑型子宮内膜異型増殖症では29人が、子宮体がんになる可能性があります。


子宮内膜異型増殖症の検査方法

子宮内膜増殖症は、子宮内膜が異常に厚くなるのが特徴です。このため、月経の量が増えたり(過多月経)、月経時以外の「不正性器出血」がみられます。しかし実際には、こうした自覚症状がほとんどない方も多く、婦人科検診で、早期発見につなげることが大切です。診断には、「超音波検査(エコー検査)」、「細胞診」、「組織診」などが用いられています。


超音波検査

超音波を発信する細長い機器(プローブ)を膣に入れ、子宮体内部の様子を観察する方法です。これによって、子宮内膜が厚くなっていないかどうかをチェックします。最近の超音波検査装置の解像力は進歩していますし、患者さんの負担も軽いので、必須の検査となっています。


細胞診

専用の器具を子宮内腔に入れ、子宮内膜の細胞を採取し、異形の有無を調べます。


組織診

細いスプーンのような器具を子宮の奥に入れ、子宮内膜組織を取って、異形の有無を観察します。確定診断になります。


治療方針を決める子宮内膜全面掻爬

細胞診や組織診で、子宮内膜に「異形」が認められた場合には、子宮体がんのリスクが増します。そこで、正確な診断を行うために「子宮内膜搔爬」を行います。これは、専用の器具を使って、子宮内膜を全面的にこそぎ取り、異形の有無、そしてがんが合併していないかをチェックするもので、子宮内膜異型増殖症の確定診断と、治療方針を決定するために欠かせない検査です。


子宮内膜全面搔爬は、全身麻酔をかけて行いますから、1、2日ほどの入院が必要になります。子宮に侵襲が加わるため、麻酔から覚めると多少の痛みを感じることがありますが、そう大きな苦痛はありません。痛みが強いときには、鎮痛剤が処方されます。


子宮内膜増殖症の治療方法

子宮内膜増殖症の治療は、子宮内膜の細胞に「異形」があるかないかによって異なります。


異形がない場合(単純・複雑型子宮内膜増殖症)

どちらも、自然に退縮する確率が約80%と報告されています(「婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2014」、日本産婦人科学会)。したがって、積極的な治療は行わず、経過観察するのが一般的です。3か月から6か月ぐらいの頻度で検査を受け、子宮内膜の変化を確認します。


異形がある場合(単純・複雑型子宮内膜異型増殖症)

子宮体がんに進展するリスクが高いため、子宮をすべて切除する「子宮全摘出術」を行うのが基本です。ただし、妊娠・出産を希望する女性の場合は、温存療法として、子宮内膜全面搔爬を含む黄体ホルモン療法が選択されます。


まとめ

子宮内膜増殖症の中でも、特に子宮内膜異型増殖症は、がんへと進展するリスクの高い病気です。手術で子宮を摘出せざるを得ないケースも少なくありません。これを防ぐには、早期発見、早期治療が重要です。子宮内膜異型増殖症の正確な診断は難しいので、専門医のいる施設での検査をお勧めします。

※本記事の内容は掲載時点の情報であり、最新の情報とは異なる場合があります。予めご了承ください。


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