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≪医師監修≫類内膜がん(子宮体がん)とは?グレード、予後、生存率について

更新日:2018/02/01

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子宮体がんは、子宮内膜がんとも呼ばれるように、子宮の内側にある子宮内膜から発生するがんです。そしてその8割を「類内膜がん」が占めます。ここでは、子宮体がんの代名詞ともいえる類内膜がんの特徴、発症の原因、グレード分類と治療法、予後などについて解説します。


記事監修医師織田克利先生  

【 記事監修 】
 東京大学大学院医学系研究科 産婦人科学講座 生殖腫瘍学
 准教授 織田克利 先生


●類内膜がんとは
●類内膜がんの原因
●類内膜がんの症状
●グレード(分化度)による分類
●類内膜がんの治療方法
●グレードごとの予後や生存率
●まとめ


類内膜がんとは

子宮は、膣への連絡口となる「子宮頸部」と、その上の袋状の「子宮体部」に分けられます。子宮体部は胎児の宿るところで、ここに発生するがんが「子宮体がん」です。


子宮体がんは組織型の違いによって、類内膜がん、漿液性がん、明細胞がんなどに分類されます。そのうち8割以上を占めるのが「類内膜がん」です。類内膜がんという名称は、子宮内膜腺によく似た細胞からできているところからきています。漿液性がんや明細胞がんと比べると、治りやすく予後は比較的良好です。


類内膜がんの原因

子宮体がんを原因別にみると、大まかに、エストロゲン(卵胞ホルモン)という女性ホルモンの影響を受ける「タイプⅠ」と、エストロゲンに関係なく発症する「タイプⅡ」の2つに分けられます。そのうち約8割を占めるのがタイプⅠで、類内膜がんもこのグループに入ります


エストロゲンは子宮内膜を増殖させるホルモンで、月経の終わり頃から排卵まで分泌が増加します。もう一方の卵巣ホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)は、排卵が起こると分泌が増加し、着床を助けます。プロゲステロンには、子宮内膜を厚くするエストロゲンの作用にブレーキをかける役割が知られています。通常の月経の周期では、排卵が生じ、プロゲステロンが分泌され、妊娠しなかった場合には月経として子宮内膜が剥がれ落ち、内膜はリセットされた状態となります。


しかし、更年期前後になると、排卵が起こりにくくなり、プロゲステロンが分泌されない時期が多くなります。ブレーキ役がないままエストロゲンが出続けると、子宮内膜が過剰に厚くなり、「子宮内膜増殖症」という病気が起こりやすくなります。子宮内膜増殖症はがんの前駆病変で、特に「子宮内膜異型増殖症」は類内膜がんへの進展、あるいは併存するリスクが高いことが知られています。


類内膜がんの症状

類内膜がんの症状は、早期では多くが無症状です。進行すると、多くの患者さんで月経ではない不正出血がみられます。不規則に出血がみられることが多いです。明らかな出血ではなく、褐色のおりものだけが続くこともあります。


グレード(分化度)による分類

類内膜がんは、分化度(細胞増殖のスピード)により、グレード1から3に分けられます


グレード1(高分化型)は増殖のスピードがゆっくりで、比較的おとなしいタイプ、一方、グレード3(低分化型)は増殖のスピードが早く、浸潤や転移を来たしやすい悪性度の高いタイプ、グレード2(中分化型)はその中間です。分化度が高いほど予後は良く、低くなるほど予後は不良になります。


Grade

分化度

Grade1

充実性増殖の占める割合が腺癌成分の5%以下であるもの

Grade2

充実性増殖の占める割合が腺癌成分の6%から50%のもの、
あるいは充実性増殖の割合が5%以下でも細胞異型の著しく強いもの

Grade3

充実性増殖の占める割合が腺癌成分の50%をこえるもの、
あるいは充実性増殖の割合が6%から50%でも細胞異型の著しく強いもの

(「子宮体がん治療ガイドライン2013、日本婦人科腫瘍学会」より引用)


類内膜がんの治療方法

子宮体がんの治療の基本は手術です。類内膜がんの場合も、子宮、卵巣、卵管を切除する「子宮全摘出術・両側付属器摘出術」という手術が行われます。多くの場合、骨盤内を中心としたリンパ節の摘出も行われます。通常はお腹を切り開き(開腹)手術を行いますが、グレード1、2で、病変の広がりが浅いと想定される場合には、開腹手術より身体的な負担の少ない「腹腔鏡手術」が選択されることも増えてきています。


悪性度の高いグレード3では、「子宮全摘出術・両側付属器摘出術」、骨盤内や腹部大動脈周囲のリンパ節郭清を行うことが多いです。グレード1、2と異なり、保険診療としての腹腔鏡手術の対象にはなりません(2018年1月現在)。一般に、グレード3では根治性を高めるために切除範囲の広い手術が選択される場合が多くなります。


一方、妊娠・出産を望む女性については、グレード1で、病変が子宮内膜に限局しているケースに限り、温存療法として、ホルモン療法(高用量の黄体ホルモン療法)が選択肢となります


グレードごとの予後や生存率

グレード1、2の予後(生存率)は良好です。日本産科婦人科学会による2003 年の報告では、グレード1、2の5年生存率は、それぞれ95%、86% にのぼっています。しかし、グレード3では77%と低下し、予後不良とされる漿液性がんや明細胞がんと、あまり変わりません。このように、類内膜腺がんの予後は、組織型や分化度によって大きく違ってきます。


まとめ

ここ20年で子宮体がんが急増しています。その多くを占めるのが類内膜腺がんで、50歳以降になるとリスクが高くなります。たとえ、類内膜腺がんと診断されても、初期でグレード1、2のおとなしいがんなら、治療成績は良好です。定期検診などで早期発見に努めて下さい。

※本記事の内容は掲載時点の情報であり、最新の情報とは異なる場合があります。予めご了承ください。


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